あるてぃまおんらいん
大和シャードに移住したアルティの日記です。UOと犬、たまに小説など。
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『別れは始まり』
剣に誓いを立てよ』の番外編です。
主役は1頭のナイトメアです。
最後の方で、本編に出てきたあの人が出てきます。
けっこう長くなったけど、良かったら読んでみて下さい。
切なくなるお話…らしいです?
『別れは始まり』

いつから主に呼び出されていないだろうか。
会いに来ない訳ではない。
主にはたくさんの"ペット"がいる。
私もそのうちの1頭だ。
今日も主は他の"ペット"を呼び出して、どこかへ連れて行った。
私はまた見送るだけ――。

いつもと変わらぬ朝。
そろそろ主がやってくるはずだ。
今日も呼び出されないだろう。でも、もしかしたら…
諦めの中で小さな期待が胸を高鳴らせる。
そして、主がやって来た。
いつもと違う主の雰囲気。
どこが違うのだろうか?
注意深く見てみる。
…顔だ。
悲しい?不安?落ち込んでいる?
分からない…。
何かあったのだろうか。そんな顔を見せてくれるな…。
悩みがあるなら聞いてやろう。だから、私の名を呼んでくれ――。

想いが通じたのか、主が私の名を呼んだ。
「ついておいで」
命令通り私は主に付いて行った。
久し振りの外だ。
主と2人きりなのは、いつ以来だろうか。
嬉しさで浮かれてしまい、忘れていた。そうだ、主の様子がおかしいのだ。
主の顔を見つめてみる。
どこか緊張しているような、そして決意しているような顔。
私の視線に気付いたのか、主がそっと撫でてくれた。
しかし、目を合わせてくれない――。
考えすぎかもしれない。
だが、私は不安になった――。

主は私を連れて、ユーの南にある森の中に向かった。
人が立ち入った形跡も敵となりそうな者もいない、静かな森の中。
主が立ち止まって俯いたかと思うと、急に振り返った。
顔が強張っている。
「…ごめん。不安だよな。」
主は、私の首に手を回して抱きしめた。
私には抱き返す為の手がない。だから、私の顔を主の背に回して慰めるようにトン、トンと優しく叩いた。
主の瞳から一粒の涙が流れ落ちた。
なんとなく察しがついた。
そうか…。
時折、"ペット"を連れて出かけた主が知らない新しい"ペット"を連れて帰ってくる事があった。
つまり、私の番が来たという事だろう。
私は目を閉じ、主が落ち着くのを待った。
どのぐらいそうしていただろうか。不意に主が身体を離して見つめてきた。
「…仲間が、さ。俺が何気なく言った事を覚えててな――。」
どうやら、主が「黒のクーシーってかっこいいな」と呟いた事を主の仲間が覚えていて、ようやく探し出してプレゼントしてくれたそうだ。
だが、厩舎の中はすでにいっぱいだ。
いっぱいなら、削るしかない。
そこで選ばれたのが私という事だ。
「キミの引き取り手を探して色んな人に声をかけたけど、なかなか…。」
それはそうだろう。
人気は漆黒色のナイトメアだった。
だが、私はグレー色のナイトメア。そして、能力も大した事はない。
新たな主を見つけるのは難しいであろう。
「それでな…。キミをここで自由にしてやろうと思う。」
自由…。つまり、捨てられるのか……。
だが、主の命令ならば聞かねばならない。
それに、主を苦しませたくもない。
私は主から離れ、森の奥へ奥へと向かって行った――。



美しい桜の季節や冷たい雪の降る季節が何度も過ぎた。
主の事を考えない日は無かった。
…いや、もう主と呼ぶべきではないのかもしれない。
だが、私の中で主はあの人しかいないのだ。

あれから何度か人間に出会った。
私を求める者もいた。
だが、私は逃げる事しかできなかった。
拒絶する事も、近付く事も出来なかった。
私は恐れているのだ。
傷付くことを。傷付けることを。
失ってしまった大切なものを、もう二度と失わなくて済むように。
だから、私は独りを望む――。

主は今どうしているだろうか。
一目でいい。元気な姿が見たい。何度そう思ったことか。
だが、会いに行けば主の心を痛めるかもしれない。
優しい主の事だ。きっと、また泣かせてしまう。
主を泣かせたくはない。泣く姿を見るのは辛い。
私には傍に居てやる事しか出来ないから・・・。
ならば、主に気付かれないようにそっと様子を窺ってみるのはどうだろうか。
元気な姿を見られるなら、それで私は満足だ。
そう思って、主が住んでいるブリテイン郊外へと向かった。

主に会える。そう思うだけで気が急いた。
例え私がいる事に気が付かなくても。私の想いが伝わらなくても。それでも私は満足できるだろう。
広い森を抜け、ひたすら走った。山を越えれば主の住む家が見えてくる。
ここからは慎重に行かねばならない。
野生のナイトメアがいると知って、ガードを呼ばれては困る。
木々に身を隠し、周りに注意を払いながら主の家を目指した。
足を進めるうちに、複数の人間の気配がした。
どうやら話しているようだ。
その場所を避けて遠回りをして行こうとしたのだが、耳に入った言葉に足が止まった。
「そういえば、あそこの家の人どうしているのかしら。」
その女が指差す方向には主の家があった。
あそこの家の人…主の事だろうか?
「確か、ユーに引っ越したんだったよな。」
一緒に話していた男が言った言葉に耳を疑った。
引っ越した…?しかも、ユー。すぐ近くにいたなんて・・・。
「そうそう。奥さんの故郷に戻るんだって。ここの暮らしは合わなかったのかしらね。」
奥さん…。結婚したのか。
記憶にある主は、そういう事には無縁のようなところがあった。
誰に対しても優しく、どこか幼さの残る笑顔の眩しい青年だった。
その笑顔に惹かれ、私は主を守ろうと決めた。主から笑顔が失われないように――。

念の為に主の家を覗いてみたが、片付けられていて誰かが住んでいる様子は無かった。
急いで来た道を戻った。
山を越え、森を駆け抜けた。
さっきからどうも胸騒ぎがする。気のせいであればいいが…。
やがて住処の森に戻ってきた。
北の方向…。ユーのある辺りだ。遠目でも分かる程火の手が上がっている。
一体何が…!
息もつかせずユーに向かって走った。
私がいない間に何があったのだ。
他の人間がどうなろうと知った事ではない。だが、ユーには主がいるはずだ。
もし主の身に何かあったら、私は……!

ユーに辿り着いた私は、目を疑った。
なんだこれは…
あの緑溢れるユーの町が…木が…焼け焦げている……
家々は破壊され、人間やモンスターの死体が転がっている。
どちらのものとも知れない血で辺りに血溜まりがいくつも出来ている。
だが、そんな事は気にしていられない。
主を探して、走り回った。
途中、まだ息のある人間が悲鳴を上げたが気にしなかった。
いない。いない。ここでもない。
主が死んでいるはずがない。そう信じ、そして主がここにいない事を願った。
だが、予感があった。それも、とても嫌な予感が…
焼け焦げた家の中や、人間が隠れていそうな所を次々と確認して行った。
そして、ユーの外れまでやって来た所で見つけた。
傷だらけで、血を流しながらも剣を振るう主の姿を。
主を傷付けられた怒りで頭の中が真っ白になった。
こいつ等か…!こいつ等が主を傷付けたのか……!
熱い息吹を喰らわせてやった。強力な脚で蹴飛ばしてやった。
私に気付いた主が何か言ったが、我を忘れている私には聞こえなかった。
主を追い詰めていた奴等を葬り、ようやく主が私を宥めている事に気が付いた。
「落ち着け!もう大丈夫だ!」
主は、息を弾ませながら真剣な目で私を見ていた。
落着きを取り戻した私は、ようやく主と向き合った。
血や泥で所々汚れているが、主の成長が見て取れる。
背が伸びている。幼さの残る顔だったが今は凛々しい。その顔が日に焼けた肌によく似合っていた。
「どうしてキミがここに…。いや…そんな事はいいか…。とにかく、助かった…。」
主は、その場に腰を下ろし俯いてしまった。
「俺の所為で、みんなやられてしまった…。たくさん仲間がいたのに…。誰も、助けてやれなかった…!」
自らを非難する主を慰めようと顔を擦り寄せた。
その顔に手を添え、懐かしむように頬を寄せた。
「初めての仲間だったキミを手放した事に後悔した。だけど、今更キミに合わせる顔がなかった…。何度もキミを探しに行こうとしてやめた。…逢えて嬉しいよ。」
もっと早くに会いに行けば良かった。そうしたら主が傷付かずに済んだかもしれない。
いや、あのままブリテインに行かずに森に居ればもっと早くに来れたかもしれない――。
後悔し、自分自身に苛立った。
ふと、主が剣を持っている方とは別の手で大事そうに抱えているモノに気が付いた。
汚れているが、青みが掛かった銀髪の…子供?
息はしているようだが、意識がない。気を失っているのか。
私の視線に気付いた主が答えてくれた。
「この子は……っ!」
だが、阻まれた。新手が現れたのだ。
気配に気付かなかったとは…!
振り返り、愕然とした。
黒と銀の肌を持ち、翼は今までの戦歴を物語るように傷跡が残っている。こいつは…バロン。通称、黒閣下……。
悪魔に属する私でも、更に上位にある黒閣下には勝ち目がない…。
思わず身を引いてしまった。
「カルア」
静かに、だがハッキリと私の名を呼んだ。
前に歩み出した主は、すでに剣を構えている。
「その子を、セリアを連れて逃げるんだ。」
主はこの凶悪な黒閣下と相対しようとしているのだ。
無茶だ。いくらなんでも勝てるはずがない。
だが主は、逡巡する私に笑ってみせた。私が守りたかったあの笑顔だ。
「大丈夫だから。」
私が足止めをして主を逃がした方がいい。そう思うのだが、体は意に反して意識のない子供を咥えていた。
「早く行くんだ…!」
黒閣下はもう、すぐ傍まで迫っていた。
主は駈け出した。子供を抱えていない事によって、身軽になっているのだ。あの黒閣下を相手に引けを取っていない。
これならば、勝てるかもしれない。子供を安全な場所へ移してから戻ろう。そう心に決め、駈け出した。
焼け果てた木々を縫うように走り抜けていたまさにその時。
突然、身を引き裂くような絶叫が聞こえた。
!?そんな…まさか…!
だが、確かに主の声だった――。
急いで主がいた場所に向かった。
違う。絶対に違う。そんな事は認めない。あぁ…鼓動がうるさい。主は大丈夫だ。あの人が死ぬなんてあり得ない。
主を失うかもしれないという恐怖で、情けない程にガクガクと震えた。
だが、倒れている場合ではない。一刻も早く主の元へ行かねば…
ふらつきながらも、何とか主のいたはずの場所へと戻ってきた。
そう、ここにいたはず…。
だが、辺りを見渡しても主の姿も黒閣下の姿もない。
何故だ…。どこにもいない。
周りを走ってみた。闘っている音も気配もない。
残っているのは、戦いの跡と無残な死体だけ――。
一体どこに行ってしまったのだろう…。
主は無事なんだろうか…。

ユーの町を見て廻ったが、見つからなかった。
子供だけが残された。
住人が逃げ出した後の、比較的に無事だったこの家のベッドに子供を寝かせた。
どうして良いか分からず、ただ子供を見ている事しか出来なかった。
どのくらいの時が経っただろうか。子供の瞼がピクリと動いた。そして、ゆっくりと開かれていく。
主と同じ瞳をしていた。
そうか、この子供は主の――。確か、名前は…
(セリア)
思わず口に出してしまった。だが、もちろん人間が聞き取れるはずがない。
しかし―
「あなたはだぁれ…?どうして、わたしのなまえをしってるの…?」
絶句してしまった。声が聞こえたというのだろうか。
(私の声が聞こえるのか…?)
セリアは、ウンと言って頷いた。そして、辺りをキョロキョロと見渡した。
「ここは、どこ?お父さんはどこにいるの…?」
何も言えなかった。主の事は、私にも分からない。
押し黙った私に不安を覚えたのか、セリアは唇を噛みしめ涙を浮かべている。泣き顔も主に似ていた。
(大丈夫だから。一緒にお父さんを探そう?)
セリアは、コクンと頷いて涙を拭いた。
「ありがとう、カルア」
カルア。主が付けてくれた大切な私の名だ。
(どうして…)
「カルア、でしょ?お父さんがね、いつもあっちの森を見てカルアのことお話してくれたの。」
セリアが指差す方向は、私が捨てられた場所…。そう、私が住みかとしていた森。いつか迎えに来てくれるのではないかと、離れられずにいたあの森だった。
「あなたがカルアなんだって、なんとなく思ったの。」
そう言って、笑顔を見せた。
主にそっくりな眩しい笑顔だった――。
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【2009/03/16 01:53】 | 小説 | トラックバック(0) | コメント(2)
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コメント

読みました!

ちょっと!泣きそうになったじゃないか><
けどその涙を
カルアがブリとユーに急いで行くときに、
サ○スさんとかいう生き物を?軽くひき逃げしてるんだろうなあ~・・・
と想像して、ぐっとこらえたよ!(あまりの速さに記憶してないんだろうなと。うん、違いない)
【2009/03/16 22:34】 URL | neko #SFo5/nok[ 編集]

サイ○とかいう生き物は、軽くひき逃げどころか体当たりして吹っ飛ばすんだよ。
ちなみに、カルアにとってはサ○スは紙切れ同然なんです。
だから、例え吹っ飛ばそうが轢き殺そうが気付いていません(ノ▽`*)
【2009/03/17 02:26】 URL | Aruty #v2qqKC6w[ 編集]
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